相続税の申告をするまでには様々な手続を進めなければならず、集めるべき書類も多岐にわたります。そのため基本的には申告作業は税理士に頼むことになります。
費用が発生するなどの難点はありますが、以下で説明するように、税理士に依頼することで多くのメリットが得られます。
相続税の申告にかかる手間が減る
依頼するときの契約内容にもよりますが、税理士に頼むことで、相続税の申告にかかる多くの手間は依頼主にかからなくなります。
負担を軽減し、他のことに時間も体力も避けるようになります。
書類を準備するだけでも大変な作業です。
被相続人の戸籍謄本、それも被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべてを取得しないといけません。
相続人についても全員分の戸籍謄本を集め、印鑑証明書も準備します。
遺産分割協議の内容を記した協議書も作成しないといけません。
その他遺産の内容に応じて準備すべき資料は増えますので、慣れていない一般の方だと大変な作業となるでしょう。
節税対策が取れる
税理士に相談することで、相続税の節税ができることもあります。
税制は複雑で、広範な知識を備えていなければ高い節税効果を得ることはできません。
間違った方法で節税をしていると、脱税になってしまい、税務署からペナルティを課されるリスクも生まれてしまいます。
そのため、特に遺産総額が大きく、大きな相続税が発生しそうなときには税理士に依頼することが推奨されます。大きな節税効果が得られれば、税理士への報酬以上の経済的な恩恵が得られるかもしれません。
税務調査にも対応してもらえる
相続税に限らず、税の申告内容に疑念を抱かれたとき、後で税務署から調査を受けることがあります。その税務調査では、再度申告に関わる資料を準備し、申告内容が正しいことを示さなければなりません。
個人的にその対応をするのは大変です。
しかし税理士に頼んでいれば、税務調査への対応も任せることができ、安心して調査当日を迎えることができるでしょう。
相続税の計算が正しく行える
相続税の計算は複雑です。単純に、取得した価額に税率を掛け算するだけで求められるものではありません。
財産の評価額を把握するだけでも大変な作業で、間違った計算をしていると、追徴課税を受ける危険があります。
間違った申告により「延滞税」や「過少申告加算税」、「重加算税」を課されることもあります。
延滞税とは、本来納税すべき期日に遅れたことに対するペナルティです。利息相当の延滞税の負担がかかります。
過少申告加算税とは、申告および納税をしたものの、金額が足りていなかったときに課されます。不足分の10%が加算されます。
重加算税は、遺産を隠していたときなど、悪質と評価されたときに課されます。納付すべき金額の35%と、かなり重く課税されます。