相続が始まってから相続人がすべきこととは?手続の流れを紹介

ある方が亡くなり相続が開始されると、相続人は財産を取得することができますが、その裏では様々な手続を進めていくことになります。具体的にどんなことをする必要があるのか、流れに沿って解説していきます。

 

流れ1:遺言書がないか確認


遺言書が作成されているかもしれません。まずは遺言書が作られていないかどうか、亡くなった方の自宅を探しましょう。公証役場に保管されている可能性、法務局に保管されている可能性もあります。これらの機関にも問い合わせます。

 

流れ2:相続人を探す


遺産分割をする前に、遺産を分け合う相続人を探さなくてはなりません。

そこで、亡くなった方の戸籍謄本から相続人を探し出します。

亡くなった方の死亡時点の戸籍謄本から、出生時の戸籍謄本まで遡って取得していきます。過去に婚姻や離婚、養子縁組をしているときには予想外の相続人が登場することもありますので要注意です。

 

流れ3:遺産の内容を調べる


亡くなった方がどんな財産を持っていたのかを調べましょう。

不動産や現金、株式、預金など、あらゆる財産をくまなく探していきます。

借金についても忘れてはいけません。

もし資産で弁済しきれない借金が残っているときは、「相続放棄」も検討します。そのまま相続してしまうと相続人が自己破産に追い込まれるリスクもあるからです。

 

流れ4:遺産分割協議を行う


探し出した相続人らで、「どのように遺産を分けるか」の話し合いを行います。これを遺産分割協議と呼びます。

このとき遺産の取り合いで揉める可能性もありますので要注意です。法律の専門家に相談するなどして具体的な対処法を検討しておきましょう。


また、専門家に頼んで「遺産分割協議書」も作成してもらいましょう。この書面が今後の名義変更手続などで役に立ちます。

 

流れ5:相続税の計算と申告


相続人それぞれに取得する財産が決まれば、相続税の計算を行いましょう。取得した財産の額が大きい場合、納めるべき相続税の金額も大きくなります。

ただし常に相続税が発生するわけではありません。


基礎控除を上回る遺産総額がなければ相続税の納税および申告自体も必要なくなります。基礎控除額は最低でも3,000万円(相続人がいるときは最低でも3,600万円)ですので、遺産が3,000万円を超えて存在していることが課税の最低条件となります。

 

流れ6:財産の名義を変える


現金や家財などは相続に際して手続は必要ありませんが、名義を登録している財産については、取得者が名義変更の手続を進めなくてはなりません。

 

特に不動産を取得した方は要注意です。現行法では義務となっていませんが、登記申請をすることになります。司法書士に依頼するなどして手続を進めましょう。