遺産分割協議書を作成するときいくらの費用がかかる?



相続人がご自身1人であれば遺産分割協議は行いません。しかし2人以上の相続人がいるときは「誰が何を取得するのか」について協議しなくてはなりません。そしてその記録を残す意味でも遺産分割協議書を作成するのが一般的です。

 

ここでは、この作業にかかる費用について説明をしていきます。

 

遺産分割協議書の作成はトラブル防止のために必要

遺産分割協議は相続手続において絶対に必要というものではありません。「遺産分割協議をしないと相続できない」などと法律で定められておらず、詳細については相続人たちに託されています。

 

しかし相続人の1人でも遺産分割の内容に反対をしているのなら、遺産分割の結果は有効にはなりません。

そのためトラブルを防ぐためにも遺産分割協議によって確実に全員の意見を聞いておくべきなのです。

 

また、遺産分割協議書についても作成が義務付けられていません。書面を作成していなくても遺産分割は有効です。

ただ、この場合はあとになって「私はその協議内容に合意していなかった」などと主張されるリスクがあります。

 

このような言い分を退けさせるため、遺産分割協議書は作成しておくものと捉えておくべきでしょう。

 

書類準備に費用がかかる

遺産分割協議をするためや遺産分割協議書を作成するために、相続人情報や財産情報を確実に整理しておかないといけません。

そこで亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等や住民票、相続人全員分の戸籍謄本や印鑑登録証明書、そして残高証明書などの財産情報を記録した資料を集めておきます。

 

これら書類を用意するには多少の費用がかかります。

 

役所に行って発行請求をするとき、例えば戸籍情報に関しての書類は1部あたり300円以上が発生します。

印鑑登録証明書や住民票などもおおよそ数百円程度の費用がかかります。

 

一つひとつの費用は大した金額ではありませんが、トータルで見ると数千円以上発生することになるでしょう。

 

また、残高証明書など財産情報についての資料ではもう少し費用が高くつきます。1つの資料を入手するのに1,000円以上、数千円程度の手数料を求められることもあります。

 

専門家に依頼するための費用がかかる

遺産分割協議書は相続人自身が作成することも可能ですが、記載ミスが原因で大きな紛争が起こる危険性があるため、通常は法律に強い専門家に作成を依頼します。

 

そしてこのとき、数万円~20万円程度は依頼費用が発生します。

 

大きな費用がかかるように思われるかもしれませんが、遺産分割を安全に進めるために欠ける大事なコストですので、相続財産の額とも照らし合わせながらできるだけ専門家に依頼するようにしましょう。